2020.07.17 ブログ
Alibabaの東南アジア子会社であるLazada Groupは、農家とマレーシア人をつなぐ仮想店舗を開設しました。マレーシアの農業発祥地であるキャメロンハイランドの農家が、新型コロナウイルスの感染拡大により全国の卸売市場やレストランが閉鎖されたことを受けて、数百トンの農作物を廃棄したことが背景にあります。シンガポール紙The Straits Timesが報じました。
この仮想店舗がオープンして4日後には、3.5トンの野菜が30分もたたないうちに販売。3週間目までには、マレーシア国内の家庭に約70トンもの農産物が届けられました。
Lazadaがマレーシアで生鮮食料品を扱うことは、3カ月ほど前には想像もできなかったことのようでしたが、今では主力分野になっています。以前は、同社は食料品部門をシンガポールとタイ、フィリピンで展開。新型コロナ発生後に、マレーシアとベトナム、インドネシアにも展開していました。同社は、こうした地域の17都市にある30カ所の配送センターを基盤として、現状の勢いを維持する構えです。
LazadaのPierre Poignant CEOは、新型コロナは、東南アジアにおけるデジタル変革を促進した旨を指摘。EC取引がひとたび習慣化すれば、消費者の生活の一部になる旨を述べました。
Lazadaはキャメロンハイランドの農家を取り込みましたが、東南アジア全域のEC食料品市場では競合がひしめいています。ただし、AlibabaのAI技術は、大きなアドバンテージとなり得る旨をThe Straits Timesは指摘しています。東南アジアでオンライン購入が浸透すれば、同社が成長する余地も大いにありそうです。
日本における農産物EC市場にも影響を与えるかもしれませんね。
今後に注目です。