気候変動リスクも怖くない?SOMPO、米農業保険大手を買収

2020.09.11 ブログ

SOMPOホールディングス(HD)は米国の農業保険大手を買収する。気候変動で収穫量や農家の収入が不安定になるリスクが高まり、保険の需要が増えている。SOMPOは買収に400億~500億円を投じ、米国でシェア首位と並ぶ規模に事業を拡大する。

農業保険は自然災害で農作物が被害を受けたり、市場価格の下落で農家の収入が減ったりした場合に補償する。地球温暖化を背景に干ばつや大雨などの異常気象が増えニーズが高まっている。

日本では農業保険法にもとづき全国の農業共済組合が提供している。米国も公的な制度があるが政府から認可を受けた民間の保険会社の取扱額が1兆円を超える。

 

異常気象の増加は農家の保険需要を底上げする一方、保険会社にとっては保険金支払いが増えるリスクも高まる。SOMPOは規模拡大や取引先の地域の分散によりリスクの軽減につなげる。

SOMPOはCGBグループとも業務提携し、保険部門の買収後もCGBの顧客網を活用して保険を販売する。農業保険で世界最大市場の米国で培ったノウハウを生かしインドやブラジルなどにも事業を拡大する方針だ。

 

今回の買収により、海外事業を担うSOMPOインターナショナルの保険料収入の25%を農業が占める。米国のテクロノジー企業と提携し、豪雨などの危険を事前に伝えて損害を抑えるサービスも展開している。

近年の気候変動はすさまじく、何十年に一度といわれる災害が毎年来ている日本でも注目度は高まってきています。